「チラシもSNSの投稿画像も、そのたびに外注していると費用も待ち時間もばかにならない」。IT専任者のいない会社では、担当者が片手間で画像を作らざるを得ない場面も多いはずです。2026年、AIの画像生成はその負担を大きく減らせるところまで来ました。ただ、全部をAIに任せていいわけではありません。この記事では、いま自社で作れるようになったことと、プロに頼んだほうがいい仕事の線引きを、デザインを本業にしている立場から整理します。

AI画像生成は「文字が正しく入る」段階に来た

AIが画像の中に読める文字を描き込む様子を表した概念イラスト

かつてAIの作る画像は、文字を入れると崩れて読めない。それが常識でした。2026年に潮目が変わります。GoogleのNano Banana Pro(Gemini 3 Pro Image、2026年6月正式公開)は、画像の中に読める日本語テキストを直接描けることを最大の売りにしています。解像度はネイティブで4K(3840×2160)、生成は数秒。料金は1枚あたり0.134ドル、日本円で20円前後です。

対抗馬のByteDance Seedream 4.5/5.0は、1枚0.03〜0.09ドル、数円から十数円という安さが持ち味。

つまり「見出しの文字が入った広告ポスター風の画像」を、数円〜十数円・数秒で作れる。これが今の水準です。(出典: Google公式 Nano Banana Pro

中小企業が自社でできるようになったこと

何が内製できるのか。例えば従業員20名の小売業なら、次のような画像は担当者がその場で用意できます。

  • SNS投稿用のサムネイル画像
  • ブログ記事のアイキャッチ
  • 店頭POPやセール告知バナーのたたき台
  • 社内資料・提案書に差し込む挿絵

これまで1枚数千円で外注したり、素材サイトを探し回っていた作業が、テキストを打つだけで形になる。とくに毎週更新するSNS画像のように数をこなす用途で、内製の効きが大きく出ます。

それでも「AIに任せきり」が危ういところ

弱点も残ります。ひとつは、狙った通りに出ないこと。SNSでは新しい画像生成機能に対して「思ったものが出ない」という不満の声もあります。生成し直す時間を積み上げると、結局プロに頼んだほうが早い場面も出てきます。

もうひとつは、ブランドの一貫性。ロゴの色、フォント、余白の取り方といった「自社らしさ」をそろえるのは、AIまかせだと難しい。

さらに日本語のタイポは今でも崩れることがあり、学習データや商用利用の権利まわりも、媒体に載せる前に確認したい点です。筆者は、ここを軽視した内製がいちばん危ういと考えます。

それでもプロに残る3つの仕事

複数の候補から1枚を選び仕上げる、人の判断を表した概念イラスト

AIが「作る速さ」を担うようになったぶん、人の仕事は前後にずれました。ククルデザインが日々AIで画像を作りながら実感しているのは、次の3つです。

ひとつは、要件の翻訳。「なんとなくおしゃれに」を、誰に何を伝える画像なのかまで具体化する設計。ここが決まらないと、AIへの指示も決まりません。

もうひとつは、選ぶ判断とブランドの一貫性。AIは何十枚でも案を出しますが、そこから自社に合う1枚を選び、他の販促物とトーンをそろえるのは人の目です。

最後は、詰めの作業。崩れた日本語の調整、媒体ごとのサイズ最適化、権利の確認。地味ですが、公開物の完成度はここで決まります。

中小企業のうまい使い分け

日常の画像はAIで内製し勝負どころはプロに任せるハイブリッド運用の概念イラスト

落としどころはハイブリッドです。数をこなす日常の画像(SNS、社内資料)はAIで内製し、会社の顔になる勝負どころ(ロゴ、看板、メインビジュアル、重要な提案書)はプロに任せる。この切り分けができると、コストを下げながら質も守れます。

例えば、ふだんのSNS画像は担当者がAIで作り、季節のキャンペーンのメインビジュアルだけデザイナーに依頼する。すでに現実的な選択肢です。

まとめ

  • 2026年のAI画像生成は「読める文字・4K・1枚数円〜数十円・数秒」の水準に達し、SNS画像やアイキャッチの内製が現実的になった
  • ただし狙い通りに出す・ブランドをそろえる・権利や日本語を詰める部分は、まだ人の仕事として残る
  • 日常物はAIで内製、会社の顔になる部分はプロへ。この使い分けがコストと質の両立につながる

ククルデザインでは、群馬県内の中小企業さま向けに、AIを使った画像・資料づくりの内製化と、プロに任せるべき部分の切り分けについてご相談を承っています。「どこまで自社でやれるか」を一緒に整理する段階からお手伝いできます。お気軽にお問い合わせください。