「検索窓に言葉を入れて、青いリンクを上から見る」。20年以上変わらなかったこの動きに、2026年に入って変化が加わった。Googleは検索結果の上にAIの回答を先に出し、さらにそのまま会話形式で追加質問できる「AIモード」を広げている。青いリンクの一覧が消えたわけではないが、最初に目に入る場所にAIの回答が割り込むようになった。

群馬の中小企業から「ホームページの順位が下がった気がする」「AIに社名が出るようにしたい」という相談が増えた。順位を追うだけでは足りなくなりつつあるのは確かだ。ただし、巷でいわれる対策には勇み足も混じっている。事実と噂を分けて、今やる価値のあることだけを絞る。

何が変わったのか——I/O 2026でGoogleが検索を動かした

従来のGoogle検索結果画面(青いリンクが縦に並ぶリスト)を土台に、まず上部にAIの回答ブロックが加わり、さらにその横に会話形式で追加質問ができる吹き出しが付く、という機能が段階的に積み重なる様子を横並びで示した概念図。青いリンク一覧は消えず残ったまま。文字は入れない。

Googleは開発者会議「I/O 2026」(2026年5月19〜20日)で、検索を「過去25年で最大の刷新」と位置づけて作り直した。検索ボックスを一新し、AIモードのデフォルトモデルに新モデルGemini 3.5 Flashを全世界で採用。画像や音声を混ぜて尋ねられるマルチモーダル入力と、AIが手順を代行するエージェント型の検索へ舵を切った(Google公式ブログ「Google Search's I/O 2026 updates」)。なおGemini 3.5 Flashが載ったのはAIモードのデフォルトモデルとしてで、検索全体のバックエンドが同モデルに置き換わったわけではない。

整理すると、2つの機能が動いている。ひとつはAI Overview(AIによる概要)。検索結果の上部にAIの要約を先に表示する。もう一つがAIモードで、そのまま会話形式で追加質問を重ね、答えを絞り込める。ただしGoogleは公式に「これまでどおり多様な検索結果も表示され続ける」("You'll continue to get a range of results from Search, just like you do today")と明記しており、検索結果が会話に置き換わるわけではない。従来の青いリンク一覧は残る。変わったのは、その上部にAIの要約が先に割り込む場面が着実に増えた点だ。

「AIモードがデフォルトになった」——この噂はどこまで本当か

ネット上では「AIモードが標準になり、オフにできない」という話が広がっている。ここは慎重に扱いたい。Googleの担当者が将来的な標準化に触れた発言はあったが、その後トーンが後退した経緯があり、全面的なデフォルト化を正式決定したという公式情報は確認できないSearch Engine Landほか複数の業界メディアが同様に整理している)。

一方で、AI Overviewを完全にオフにする分かりやすい手段が見当たらないという指摘もあり、体感としてはデフォルト寄りに進んでいる。つまり「決まった事実」ではなく「その方向に進行中」というのが正確な現在地だ。断定でなく傾向として受け止めるのが妥当だと、ククルデザインは考えている。

中小サイトの集客はどう備えるか

ピラミッド型の土台に「一次情報・実績」「FAQ・具体的な回答」「著者・運営者情報」「構造化データ」の4層が積まれ、その頂点から検索順位とAIの回答表示の両方へ矢印が伸びる、土台が両方を支えることを表した概念図。文字は最小限。

ここで注意したいのが「LLMO」「GEO」「AEO(Answer Engine Optimization)」といった新語だ。AI時代の専用対策として語られ、専用のタグやファイルを売り込む動きもある。だがGoogleは公式ヘルプで、AI機能に載るための追加要件や専用のスキーマ、llms.txtのようなファイルは不要で、通常のSEOで十分だと明記している。そのうえで掲載は保証しないとも書いている(Google検索セントラル「AI features and your website」)。

裏を返せば、やることは目新しくない。AIに拾われるかどうかを左右するのは、人間の読者にとっても価値の高いページを作れているか、という一点に集約される。具体的には次の4つだ。

  • 一次情報を出す:自社の施工実績・料金の考え方・地域の事例など、他所の要約では出てこない事実を書く
  • 質問に答える形にする:「費用はいくらか」「納期はどれくらいか」をFAQや見出しで正面から答える
  • 誰が書いたかを示す:運営者・著者情報を明記し、実在する事業者だと分かるようにする
  • 構造化データを整える:会社情報やFAQを機械が読める形で記述しておく(必須ではないが、整っていて損はない)

これらは順位対策としても以前から有効だったものだ。AIが回答に引用する材料も、結局はここから拾われる。専用対策に飛びつくより、載っても損をしない土台を固めるほうが費用対効果は高い。

ククルデザインの見方

不安げな表情の中小企業経営者らしき人物が、パソコン画面のAI検索と自社サイトの資料を並べて見比べ、隣で伴走者が一緒に画面を指さして落ち着いて説明している、二人が机を囲むイラスト。温かみのある雰囲気。文字は入れない。

AI検索は不安を煽りやすい。「今すぐ専用対策をしないと取り残される」という売り文句も出てくるだろう。私たちは逆に見ている。土台が弱いサイトは、順位でもAIの回答でも拾われにくい。逆に、一次情報と正直な運営者情報が揃ったサイトは、表示の仕組みが変わっても強い。

やるべきは、流行りの略語を追うことではなく、自社サイトを「読む人にとって役立つ状態」に保ち続けることだ。そのうえで、AIモードの動向は月単位で変わるので、確定した事実だけを追いかけて必要な調整を足していく。

「うちのサイトはAI検索に耐えられるのか点検してほしい」「一次情報の見せ方を整えたい」といった相談があれば、ククルデザインの問い合わせ窓口から声をかけてほしい。群馬の中小企業のホームページを、順位とAIの両面で拾われる状態に整える。

※本記事の検索仕様・モデル名は2026年7月時点の情報です。AIモードの提供状況は変わることがあります。