ChatGPTを開いてモデル一覧を探しても、GPT-6は見つかりません。OpenAIは2026年9月22日(米国時間)にGPT-6 SolとGPT-6 Lunaを公開しましたが、この2つは通常の「Chat」ではなく、「Work」と「Codex」という別の画面でしか選べないからです。

有料プランを契約していても、Chatの一覧には出てきません。開く画面が違うだけです。この記事では、APIを触らない社員がChatGPTの画面だけでGPT-6を試し、翌週から使える「振り分け表」を1枚作るまでの手順を書きます。

何が出て、どこで選べるのか

マスタードとゴールドを基調にした概念図。一つのデスクトップアプリの窓が左右二つの部屋に分かれている。左の部屋はいつもの会話の部屋で、吹き出しが並ぶだけで新しい道具は置かれていない。右の部屋は作業机のある部屋で、机の上に大きな太陽の形の道具と、小さな三日月の形の道具が並んで置かれている。担当者が左の部屋から右の部屋への扉を開けようとしている場面。文字・数字・ロゴは一切描かない。

OpenAIの公式ドキュメント(ChatGPT Learn「Models」)によると、GPT-6 SolとLunaはChatGPTデスクトップアプリのWorkとCodex、Web版のWorkで使えます。Chatでは使えないと明記されています。

2つのモデルは役割が分かれています。TechCrunchの報道では、Solはコーディングのような複雑な作業向けです。Lunaは「文書の要約、情報の抽出、短い質問への回答など、目的がはっきりした大量の作業」向けと説明されています。OpenAIは、Solのミスは前世代のGPT-5.6 Solの約半分だとしています。

使えるプランは次のとおりです。

  • Plus・Pro・Business・Enterprise・Edu:WorkとCodexでSolとLunaの両方
  • 無料版・Go:デスクトップアプリで、提供が始まっていればLunaのみ(Notebookcheck)

ひとつ紛らわしい点があります。無料版のChatで8月から既定になっているのは「GPT-5.6 Luna」で、今回の「GPT-6 Luna」とは世代が違います。社内で話すときも「Luna」だけで済ませず、GPT-6かどうかまで言うと取り違えが起きません。

明日試す4つの手順

マスタードとゴールドを基調にした概念図。机の上に、同じ形の封筒が十通、横一列に並んでいる。封筒は一通ずつ三日月の形の小さな仕分け機を通り、同じ形の小さなカードになって出てくる。大半のカードはきれいに揃っているが、端の二枚だけ少し形が崩れていて、その二枚だけが隣にある太陽の形の大きな機械へ回されている。担当者が並んだカードを見比べている。文字・数字・ロゴは一切描かない。

最初から全部の業務で試す必要はありません。1つの作業で、Lunaがどこまで任せられるかを見るところから始めます。

1. デスクトップアプリで「Work」を開き、GPT-6 Lunaを選ぶ

公式ドキュメントでは、入力欄の下にある「モデルと推論のコントロール」でモデルを選び、推論の深さを変えます。GPT-6 Lunaで選べる推論の段階はLight・Medium・High・Extra High・Maxの5つです。6つ目のUltra(サブエージェントで作業を並列に進めるモード)はSol専用で、Lunaでは選べません。まずは複数ステップの作業向けとされる「High」で始め、結果を見て上げ下げします。

2. 毎週同じ形で繰り返す作業を1つ選ぶ

Lunaの得意分野に合わせて、入力と出力の形が毎回同じ作業を選びます。

  • 問い合わせメールを「見積依頼/不具合/その他」に分類する
  • 日報から要点を3行で抜き出す
  • 発注書のPDFから品番・数量・納期を表にする

3. 過去の実例10件で、同じ形式の出力を見比べる

過去に人が処理した実例を10件用意し、指示文を1つに固定して貼ります。指示文の例です。

次のメールを「見積依頼/不具合/その他」のどれか1つに分類し、理由を1行で書いてください。判断に迷うものは無理に分類せず「要確認」としてください。出力は「番号|分類|理由」の形式でそろえてください。

正解は、人が過去に下した判断です。10件のうち何件が一致したか、外れた件はどんなメールだったかを書き留めます。「要確認」を許しておくと、AIが迷った箇所が見えるようになります。

4. 外れた項目だけSolに切り替える

同じ指示文と同じ10件をSolで流し、Lunaで外れた件がSolで当たるかを確かめます。Solでも外れるなら、指示文の書き方か、そもそも人が判断すべき作業かのどちらかです。

結果を「振り分け表」にまとめる

試した結果は、作業ごとに1行ずつ残します。列は4つで足ります。

  • 作業名(例:問い合わせメールの分類)
  • 使うモデル(GPT-6 Luna/GPT-6 Sol/人がやる)
  • 推論の段階(High など)
  • 10件中の一致数と、外れやすいパターン

この表があると、新しく入った社員もどの作業をどのモデルに頼めばよいか迷いません。Solは重い作業に、Lunaは量の多い定型作業に、と使い分けの線が社内で共有できます。

10件の実例と指示文は、表と一緒に保存しておきます。次のモデルが出たときに同じ10件を流し直せば、どの行を書き換えるべきかがすぐ分かります。

まだ分からないこと、向かないこと

  • 無料版の利用上限は公表されていない。無料版とGoでLunaを使える回数について、OpenAIは数字も「無制限」とも出していません。業務の本番を無料版に載せる前提は置かないほうが安全です。
  • 提供は段階的に進んでいる。公式ドキュメントは、使えるかどうかは展開状況・サインイン方法・アプリによると書いています。同じ会社でも、人によって画面に出るタイミングがずれることがあります。
  • 毎回判断が変わる作業には向かない。値引きの可否や、取引先ごとの温度感をくむ返信は、10件で比べても正解が定まりません。振り分け表では「人がやる」に入れます。

貼る前と、AIが返したあとの二つの関所

マスタードとゴールドを基調にした概念図。左から書類の束が一本の通路を流れてくる。まず入口の門で、書類の一部に目隠しの帯がかけられてから、中央の三日月と太陽の形をした作業台へ進む。作業台から出てきた下書きの紙は、出口の門で人の手によって承認の印を押され、印が押された紙だけが右側の送信口へ進む。印のない紙は手前のトレイに戻されている。文字・数字・ロゴは一切描かない。

画面だけで試せる手軽さは、社員が個人の判断で業務データを貼りやすいということでもあります。試す前に2か所だけ決めておきます。

  1. 入口:貼る前に伏せる。顧客名・個人名・金額・口座番号を含む作業は、個人アカウントではなく、組織プランか社内で承認した環境で行います。試験用の10件は、固有名詞を「A社」「担当者B」に置き換えてから貼ります。
  2. 出口:返ってきたものは下書きとして扱う。分類や抽出の結果をそのまま送信・発注・請求に使わず、人が原本と照らしてから確定します。作るのはAI、確定するのは人です。

やることは、Workを開いてGPT-6 Lunaを選び、過去の実例10件を貼るところまでです。10件中の一致数を1行書き残せば、振り分け表の最初の行が埋まります。ククルデザインでは、群馬の中小企業でこの表づくりから一緒に始める支援をしています。どの作業から試すか迷ったら、お問い合わせください。